日本の味といえば、なか卯の親子丼

海外に住んでいると、誰しも日本の味が恋しくなる時があると思います。
そんな時は、どんなにローカライズしている人でも日本食屋に行って日本の味を堪能するでしょう。

今でこそ、ホーチミンには多くの日本食屋が出来て、大抵のものは味わえるようになりました。

でも、なか卯の親子丼を代替出来るようなものは存在しません。

なか卯の親子丼は、味だけでなくコスパも最強。日本でも、あのレベルの味を楽しむためには、2000円以上払わないと食べられないゾ!

なか卯のホーチミン進出の可能性を探る

すき家の現状

なか卯のホーチミン進出の鍵を握るのは、同じゼンショーグループのすき家の成功が必要不可欠だと思います。

『すき家成功しているじゃん?』

って、思う日本人の人が大半だと思いますが、私は正直、頭打ちだと思っています。

頭打ちだと思う理由

はじめに言っておきたいことがあります。平田社長を下げる意図はありません。同じ牛丼チェーンの吉野家が、インタビューでは昔取った杵柄ばかりフューチャーするロータスグループの傘下に入っておおごけしている最中にベトナムに進出して、多店舗展開を成功させたんですから。素晴らしい功績だと思います。

で、本題ですが、平田社長は2023年にアクセスオンラインのインタビューで下記のように答えています。

将来を見据えたベトナムでの目標は2つあります。ひとつはチェーン展開で、「すき家」は日本に約2000店舗あります。ベトナムの国土は日本とほぼ同じで、人口も1億人を超えて日本に近づいていますから、個人所得やGDPなど異なる要素は多くても、200店舗は必ず出店できると考えています。

ベトナムで活躍する日系企業|リーダーたちの構想第61回 Zensho Vietnam

2023年のインタビュー時点の店舗数は、記事にも記載されていますが、18店舗でした。2026年3月末時点では25店舗です。年間3店舗弱の出店ペースです。

2023年に200店舗を出店出来る感触があったのに増えたのは7店舗です。もちろん、レタントン店のように閉店してしまった店舗もありますが、200店舗を目指すペースとしては明らかに遅いように思います。おまけに25店舗中半数がモールや複合商業施設に入居しています。

1号店のイオンモール ビンタン店、2号店のクレセントモールは戦略的にもわかりますが、3号店のLy Thai Toや4号店のパスターと路面店で成功して、そのまま路面店だけに絞って展開するかと思いきや、モールや複合商業施設の旨味を思い出し連続出店。

路面店: ローカル(ベトナム人一般層)を獲りに行く攻めの姿勢。

モール店: 中間層以上の「ついで買い・ついで食い」を狙う守りの姿勢。

モールや複合商業施設って、集客はモールがやってくれるから楽なのはわかりますが、『すき家』というブランドは成長しないです。だって『すき家があるから⚪︎⚪︎モールへ行こう』とはならん。

守りのすき家じゃなくて、攻めのすき家をもう一度見たい。

なか卯の戦略案 ①ターゲットと店舗展開

すき家がモール(商業施設)主体の「ファミリーレストラン化」に逃げてしまった現状を踏まえると、なか卯が取るべき道は「路面店への再挑戦」か、あるいは「全く異なる客層の開拓」だと思います。

路面店への再挑戦

すき家と同じような形式の路面店だと二の舞になる可能性が高いので、和風カフェテリアのような内装で『ファストフード以上、和食屋未満』というコンセプトを打ち出し、日本人や外国人やベトナム人富裕層をターゲットに絞り、美味しい日本食をリーズナブルな価格で食べられる『日本の日常』を提供するのはどうだろうか。

もちろん、ロータスグループが失敗し続けている「高級路線の吉野家」の轍は踏んではいけない。

[出店場所] 旧1区や旧3区、旧7区のオフィス街、タオディエンエリアのような高級住宅街

全く異なる客層の開拓

Grab FoodやCapichiなどのフードデリバリーとお持ち帰りに特化した店舗の展開。

コンビニエンスストアの2階スペースはカフェテリアスペースになっていることがありますが、3階は使われていないことが多いと聞きます。その空きスペースであれば、オフィス街などの好立地な場所でも低賃料で借りることが出来ると思います。
またフードデリバリーとお持ち帰りに特化した店舗であれば、階下のコンビニエンスストアとの相乗効果(飲み物などのついで買い)も期待できるので、コンビニエンスストア側も嫌な顔をしないでしょう。

なか卯の戦略案 ② 障壁を乗り越える

なか卯進出の大きな障壁は、なんといっても半熟卵の壁だと思います。そして、小さな障壁は、どんぶり飯(皿飯)が肉体労働者の食事というイメージだと思います。

半熟卵の壁

ベトナムでは、生卵や半熟卵を食べるという習慣がなく、食中毒のリスクから「しっかり焼く、茹でる」というのが鉄則になっています。

あまり美味しくないイセエッグで妥協するのも悪くないとは思いますが、契約農家を作って生産から流通までを『なか卯』で管理しているというくらい徹底的に『卵の安全性』をマーケティングするしかないのかなと思います

フォー屋で追加で卵を頼んだら『半熟』で出てくるし、バインミーオプラの目玉焼きは『よく焼き』じゃないのにベトナム人の大半は文句を言わないのは不思議w

どんぶり飯(皿飯)が肉体労働者の食事

半熟卵の壁と違って、どんぶり飯(皿飯)が肉体労働者の食事というイメージを払拭する答えが、ベトナムで数多の飲食店を成功させている神のような仁吉大先生がXで言っていました。

うちのトンカツ屋ではカツ丼より、ご飯とかつとじを別々にしたセットの方が人気な訳です

永露 仁吉🇻🇳ベトナム飲食ビジネス

提供方法を日本と変えることになるので、オペレーションが変わるというデメリットがありますが、それは店舗での飲食だけに限ったこと。

デリバリーだと、すき家でも牛丼は、具と米が分かれています。

なか卯の戦略案 ③ 最強の武器になるかもよ

鶏肉への信頼

ベトナム人は鶏肉を日常的に食べます。
KFCやマクドなどのハンバーガーチェーンでは鶏肉系(フライドチキン系)のメニューは豊富ですし、パーティーや結婚式などではメインディッシュで出てくることもあります。

ベトナムの鶏肉料理は美味しいけど、パサついたものが多いです。そんな中で、なか卯の親子丼の柔らかい鶏肉は一線を画す贅沢な一品になるかもしれない。

鶏肉一尾が丸ごと入った鍋で、頭は一つしかないからゲストの人が食べるとか言われて毎回もらうんだけど、食べるとこないやん。頭割っても脳みそ小さいし…。

京風うどん

ベトナムでは、丸亀製麺がすでに一定の成功を収めていますが、なか卯の京風うどんは別物です。

フォー好きのベトナム人にとっては、なか卯の透き通った出汁と柔らかいうどんは、ラーメンと違って胃にも優しく日常食としての価値がありそうです。

小サイズ戦略

なか卯は、親子丼やうどんが小サイズで食べられます。

親子丼(小)+うどん(小)というセットメニューは、一度に複数の味を楽しみたい人や一食のボリュームを抑えがちなベトナムの食文化にフィットすると思います。

まとめ

すき家が今の現状から大化けする可能性は極めて低いと言わざるを得ないですが、まだ見ぬなか卯のベトナム進出は面白い可能性を秘めていると思います。

なか卯なら、すき家が実現出来てないハノイ進出も出来るような気がします。

ゼンショーさん、お願い。なか卯の親子丼をベトナムでも食べたいです。

妄言多謝

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By OMSB

営業職ですがコミュ障で人見知りです。